第6回 出張展覧会
はじめに
ここ15年ほどの私の創作活動は、猫の木版画制作や木版漫画制作がおもな仕事になっていた。しかし、これからは現代美術的な匂いのする「藤宮史の二番煎じなアートな気分」もときどきやりながら版画制作もやってゆきたいと思う。
✤✤✤ 今回の提案 ✤✤✤
今回の提案は、25年以上まえの発案で、インターネットの普及した現在では最早時代遅れの感もあるが、今回は「自分の作品を屋外で発表する」と云うことを提案したい。
▲額装した作品を背負って人々に見てもらっています。
20年ほどまえの日本には、新人作家が美術作品を発表する場合、貸画廊か公募美術展覧会しかなく、きわめて発表の場が限られていた。貸画廊は高額な使用料で手がでず、公募展ではほんとうに発表したい表現は入選展示されなかった。そこで私が考えたのが、屋外に自分たちの作品を展示すると云うものだった。当初は、屋外の外壁などに額装した作品を展示していたが、それではたくさんの人たちに見てもらえない、と云うことで作品自体をより多くのひと目にふれさせるために作品を背負って歩くことにしたのである。
▲歩道橋にたたずんで、道ゆく人びとに見てもらっている。
▲街のなかに出て、いろいろしながら作品も見てもらっている。
▲電車に乗って移動中も見てもらっている。
【出張展覧会カタログ】
▲「ギャラリー歩道橋」名義で活動していた当時の記録カタログ。
B5判 20ページ 1997年 藝術雑誌發行 黒猫堂 刊行
〔特別販売〕1000円(送料込み) 古い物ですので、経年によるヤケ、若干の折れ等ございます。
藤宮史 (フジミヤ フヒト)
1964年生まれ 版画家、漫画家
平成17年(2005年)第7回アックスマンガ新人賞を受賞する。また第12回、13回、17回の文化庁メディア芸術祭において審査委員会推薦作品に選出される。1999年から2002年の三年間、漫画家の永島慎二氏の銅版画制作の助手をつとめる。