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藤宮史の二番煎じなアートな気分

手軽で笑える現代美術的なことをやって、不定期に掲載します。

第8回 ぼんやり観光旅行

                   はじめに

 ここ15年ほどの私の創作活動は、猫の木版画制作や木版漫画制作がおもな仕事になっていた。しかし、これからは現代美術的な匂いのする「藤宮史の二番煎じなアートな気分」もときどきやりながら版画制作もやってゆきたいと思う。

                  ✤✤✤ 今回の提案 ✤✤✤

 インターネットの世界は、たとえて言うならば、夜寝てみる夢に似ているところがあると思う。ネットサーフィンをしていると思いがけない物を見、思いがけない感想を持つときがある。今回は、ネットとパソコン世界の特性をいかして遊んでみたいと思う。

 「ぼんやり観光旅行」とは、文字通りぼんやりした風景に出逢いながら旅情を満喫するものである。今回の企画の当初は、風景写真のなかに不特定多数の人々が写り込み、個人情報が不用意に洩れてゆくのを防ぐために、背景の人々や特定の物をぼかしていったが、あれも、これもと、ぼかしているうちに、ほとんどすべてぼかすことになってしまったのである。しかし、これはこれで面白く、いいのではないかと思っている。まぁ、軽い気持ちで見てください。

 東京に住んで、はや30年。しかし、どこへも行ってなかった。

 まずは、東京駅に行ってみたい。しかし、随分ぼんやりした駅舎である。これでは、ほんとうに夢の中の印象のようで、おぼろげである。

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大正3年(1914年)開業の東京駅に行ってみた。クラッシックな外観が素晴らしい。

 それから、はとバスに乗った気分で東京見物定番の、東京タワーへ行く。こちらも、水の中に入っているような塩梅である。

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昭和33年に完成。高さ333メートル。

 東京タワーを見上げて、高いな、と感嘆の声をもらす。

 また、国家議事堂へ足をのばしてみる。

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昭和11年(1936年)に建設された。

 ここの議事堂は、やけに古ぼけた色合いである。それから、皇居に行ってみる。

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1868年(慶応4年)、江戸城が東京城(とうけいじょう)と称され東京の皇居になった。

 二重橋が見える。印象派クロード・モネの油絵のようである。

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西郷隆盛像 明治31年(1898年)建立。散歩につれている愛犬は雌犬の薩摩犬で名前を「ツン」。

 上野の森、西郷隆盛像である。憧れの銅像を見物できて幸せである。横目で国立博物館を見送りながら一路西へむかう。

まずは、鎌倉である。そして、大仏。

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高徳院、長谷の大仏である。

 鎌倉時代のものが、見られるのは感動的である。

 

 そして、新幹線に乗り、

 おお、見えてきた。見えてきた。

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2013年、世界遺産登録。

 日本一の富士山である。近年では富士山大爆発など噂がとびかっているが、やはり、美しい。ぼんやりしていても美しい。さくらの季節となると、また格別である。

 

 それから、新幹線で、もっと西へゆく。

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金閣寺だが、ほんとうは鹿苑寺(ろくおんじ)と言う。

 京都と言えば、やはり金閣寺でしょう。しかし、凄い金(ゴールド)だなぁ!! これだけ貼るのは随分手間とお金が掛るだろう。ちなみに金箔の量は約20キログラムだそうだ。時価1億円の金(ゴールド)が目のまえにある。あぁ〜。

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1165年(長寛2年)、後白河上皇が建立。

 今度も、金箔つづきで、三十三間堂(蓮華王院本堂)である。金色に輝く木造千手観音立像は1001体もあり圧巻である。

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778年(亀宝9年)創建。

 次は、ぐっと色合いは地味に、清水寺である。しかし、ここも凄い。なかに入って舞台から下を見ると絶壁の上に立っている心地である。

 そして、奈良へ行き、

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680年(天武天皇9年)創建。大講堂は2003年の再建である。わりに新しい。

 薬師寺である。ぼんやりしていて、これでは何処だか判りにくいが、たしかに薬師寺である。それから、東塔へも行ってみる。

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東塔は国宝である。奈良時代に建てられた。

 東塔は、ぼやけて塔の細部がわからず塔を感じない。しかし、たしかに奈良の寺院に行っている実感はある。それから、法隆寺に行き夢殿を見学。

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607年(推古15年)の創建とされている。こちらの夢殿は、聖徳太子の1000円札の裏に印刷されていた。

 そして、いよいよ奈良の最後は、東大寺である。まずは、南大門の木造金剛力士立像(国宝)に感心してから、大仏殿へむかう。

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1203年に運慶、快慶が69日で造った。

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8世紀前半の創建である。桜の花が見事である。

 目を細めて見ると、なるほど東大寺、である。しかし、大仏は見れず修了。

 ・・・・・と、まぁ、こんな感じで修学旅行みたいな脳内旅行は、ひと段落である。ついでに、草津温泉、札幌の時計台へもワープするみたいに行ってみた。

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草津温泉の湯の花畑である。

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札幌の時計台も、これでは判別できない。

 

 

藤宮史 (フジミヤ フヒト)

1964年生まれ 版画家、漫画家

 平成17年(2005年)第7回アックスマンガ新人賞を受賞する。また第12回、13回、17回の文化庁メディア芸術祭において審査委員会推薦作品に選出される。1999年から2002年の三年間、漫画家の永島慎二氏の銅版画制作の助手をつとめる。